- コンプリーションノートってなに?
- テキスト読みを効率的に済ませたい
- 試験当日に持っていける教材が欲しい
教材の質の高さはクレアールの強み。その中でも上位にランクインするのがコンプリーションノート。クレアール受講生なら必ずお世話になる直前期教材ですが、受講生以外にはあまり知られていません。
私は社労士試験を2回経験し、2年続けてクレアールを受講しました。コンプリーションノートは1年目、2年目両方の直前期で一番お世話になった教材。テキスト読みや問題演習の復習に最適なまとめテキストでした。
コンプリーションノートがあったおかげで効率的な学習に取り組めました。
この記事ではコンプリーションノートの特徴、メリットとデメリット、使い方についてご紹介します。公式サイトでは書けないリアルな使用感を書いているので、クレアールを検討している方は検討材料の一つとして、既に受講済みの方は4月からの学習計画を立てるヒントとしてご活用いただければ幸いです。
コンプリーションノートは問題演習シーズン用まとめテキスト
コンプリーションノートは初学者コース、経験者コース問わずクレアールの全コースに含まれる教材の一つ。3月までの基礎講義が終了した後、4月からの問題演習シーズンに入ってすぐに届くまとめテキストです。
ページ数(2023年版) | サイズ | 印刷 | 特徴(公式サイトより) |
---|---|---|---|
労働科目編:366ページ 社会保険科目編:329ページ 一般常識科目編:208ページ | A5 | 二色刷り | ・直前期に絶大な効果を発揮 ・必要なポイントをさらに集約 ・“合格に良く効く”最強の直前期教材 |
コンプリーションノートはハイレベル答練の時期に合わせて解説用教材として配付されます。クレアールの動画講義の中でコンプリーションノートを使用するのはハイレベル答練の解説講義と終盤の直前まとめ講義の2つです。
労働科目編、社会保険科目編、一般常識科目編の3冊に分かれており、ハイレベル答練講義に合わせて順番に送られてきます。公式サイトでは、ハイレベル答練とコンプリーションノート、さらに同時期に届くセルフチェックノートの3冊を併用することで、知識の整理に役立てることをオススメしています。
しかしコンプリーションノートをハイレベル答練の復習だけに使うのは非常にもったいない。私にとっては1年目も2年目も、直前期に入ると最も使い倒したテキストがコンプリーションノートです。
なので個別記事としてご紹介することにしました。
コンプリーションノートのメリット5選
実際に2年間使用して感じた、コンプリーションノートのメリットを5つご紹介します。
重要論点がまとまっている
1科目のページ数は基本テキストより圧倒的に少ないにも関わらず、基本論点や過去問で出題された部分はしっかり掲載。過去問を解いたあと、コンプリーションノートを使って復習していたら「この問題もちゃんと押さえてるの!?」と驚いた記憶があります。
少ないページ数で重要論点をきちんと確認できるので、テキスト読みの効率がグンとアップ。「テキスト読みが早めに済んで、本番にも持っていける分量。そんな教材ないかなー」と思っていたら希望通りのテキストが届いて感動しました。
コンプリーションノートを知らない人に実物をお見せすると「思ったより厚い」と言われることが多いですが、1冊に3,4科目載っていること、内容の充実っぷりを考えれば十分コンパクトかなと思います。
コンプリーションノートに掲載されている内容を完璧にすれば本試験突破はほぼ可能です。「ほぼ」とつけた理由は後ほど。
類似項目の整理
科目内、科目間の類似規定をまとめた表がいたるところに掲載されています。社労士試験ではお馴染みの紛らわしい論点を比較整理するのに最適です。
コンプリーションノート内に掲載されている図解や表は斎藤講師の自作レジュメでも使われているものがたくさんあります。このレジュメは受講生にもファンが多く、実は隠れた名テキスト。「基礎講義のレジュメを全てマスターすれば十分本試験で戦えるレベルにまとめてある」と、斎藤講師自身もコメントしていました。
経験者コースの人なら、斎藤講師のレジュメの分かりやすさ、完成度の高さはご存じだと思います。そんな完成度の高いレジュメをもとに作られているコンプリーションノート、当然完成度が高いに決まっています。
答練シーズンの復習に最適
コンパクトに各科目がまとまっているので、短期間で複数科目に触れておきたい答練シーズンに非常に重宝します。
基礎講義で使用していた基本テキストは情報量は豊富ですが持ち運びには不向き。カフェや図書館など家の外で勉強したいとき、基本テキストだと持ち運べてもせいぜい3,4科目が限界です。
コンプリーションノートは3冊で全科目の基本論点を網羅、しかもA5サイズなので持ち運びにも便利。なるべく多くの科目に触れておきたい直前期には特に心強い味方です。
私の場合、特に2年目は月刊社労士受験や勝つ!社労士受験も併用していたので、コンプリーションノートの存在は非常にありがたかったです。
法改正にも対応
毎年多くの受験生を悩ませるのが法改正。科目数が多く、世間的にも話題の法律が多い社労士試験では毎年ほぼ全科目で法改正があります。
実務経験がないと、どの改正が重要か分かりづらいところも難点です。
コンプリーションノートは法改正にもきちんと対応。該当箇所には法改正マークがついていて、一目で改正部分が分かるようになっています。クレアールには法改正講義と専用テキストも用意されていますが、主要な改正はコンプリーションノートだけでも十分対応可能です。
重要な改正はハイレベル答練でも取り上げてくれることが多いので、斎藤講師の解説が聞けるのもメリットです。
キーワードを隠せる
コンプリーションノートは基本テキストと同様の二色刷りですが、過去問の出題実績に限らず重要論点をまんべんなく赤文字にしてくれているのが特徴です。
クレアールの基本テキストは、
- 択一で出題実績があるキーワード:赤文字
- 選択式で出題実績があるキーワード:赤抜き
のルールを徹底しています。出題実績が分かりやすいのがメリットですが、あまり出題されない論点は赤文字がほとんど無いページもちらほら。また、過去問では未出題ながら押さえておきたい論点が強調されていないのもデメリットです。
典型的な例が労働基準法の高度プロフェッショナル制度。次こそは出るぞと毎年言われ続けていますが、未だに出題実績がありません。数字が多いので選択式対策の意味でも目は通しておきたい論点です。
コンプリーションノートの場合、過去問での出題実績がなくても、重要な語句や数字であれば赤文字になっている部分が割とあります。しかも赤シートがあれば隠すことができるので、キーワードを覚えるための問題集として活用することも可能です。
とはいえ量があるので、問題集として使い込むなら届いた直後から問題集として使うことをオススメします。
デメリット3選
個人的にはデメリットは気にしない方が良いくらい素晴らしいテキストだと思っていますが、実体験に基づいた本音をご紹介するのがこのブログのポリシー。ということでコンプリーションノートに関するデメリット3選です。
白書・労働経済に未対応
最大の弱点は白書・労働経済対策ができないこと。一般常識科目編は法令しか掲載されておらず、白書や統計は取り扱っていません。
元々「基本論点を確実に点を取る」が方針のクレアール。出題予想が立てにくく、年によって学習内容もガラッと変わる白書・労働経済の対策はカリキュラム全体を通してあまり深追いしていません。白書対策講義はあるものの、テキストも薄めです。
コンプリーションノートを完璧にすれば「ほぼ」合格できると序盤で書いたのは、正確には「白書・労働経済以外は合格点に達する」という意味です。
載っていないものは割り切るしかありません。白書・労働経済対策の論点をまとめたものが必要であれば、クレアールの対策テキストか、他の市販テキストを活用する必要があります。
私は2年目は白書・労働経済もある程度力を入れたかったので、市販の別のテキストを活用していました。
掲載順が独特
基本テキストや完全過去問題集と掲載の順番が一部異なるので、慣れるまで時間がかかるかもしれません。
一例ですが、クレアールの基礎講義では、総則を学ぶのは保険給付などが終わったあとの中盤。最初から総則を学ぶより保険給付を学んだあとの方がイメージがつかみやすいからという方針を取っているためです。一方コンプリーションノートでは総則はどの科目でも序盤に掲載されています。基本テキストの順番に慣れていた身としては違和感を感じた部分です。
そのほか、「この規定は載ってないんだな」と思っていたら別のページに掲載されていた、ということも何度かありました。
繰り返せば慣れますが、最初は少し戸惑うかもしれません。
知名度が低い
利用者が総じて絶賛する(少なくとも私の周りではそう)コンプリーションノートですが、存在自体があまり知られていません。
大手に比べるとただでさえ利用者が少ないのがクレアールの弱点。その中でも4月になってから届く教材で、ある程度学習経験がないと良さにも気づきにくい。話題に上がらないのも仕方ないのかもしれません。
私自身、1年目は実物が届くまでどんな教材かよく分かっていなかったので、正直あまり期待していませんでした。
いざ届いた時、クオリティに感動したのは今でも覚えてます。驚きすぎて当日ツイートしてました。
私自身はこの教材のおかげでどれだけ直前期の勉強が楽になったか分かりません。クレアールさんにはもっと紹介してほしいと思っています(笑)
効果的な使い方5選
私がコンプリーションノートを絶賛しているのは、自分の学習スタイルに合う教材だったことが大きいのかもしれません。ということで実際にどう使っていたか、5点ご紹介します。
復習のお供に
社労士試験のように覚える作業がメインの資格試験の場合、
- 問題を解く
- ポイントや間違えた点をテキストに書き込む
- テキストを読む
を繰り返すのが私のスタイル。
内部リンク:勉強法(作成中)
クレアールの基本テキストは情報量が多く、条文や関連通達を押さえたり理解を深めたりするには適していますが、テキスト読みには時間がかかるのがデメリット。
コンプリーションノートは要点をコンパクトにまとめており、理解促進のための解説文章はほとんどありません。必要な情報を短期間で読み込めるようになっているので、直前期の効率的なインプット作業にはピッタリです。
本試験では捨て問になるような細かい論点が書かれていないのもメリットです。
テキストを育てる
シンプルな二色刷りで、書き込んだことが目立ちやすいので、苦手な論点を自分のメモで強調する使い方が適しています。
私の場合、
- 講義で斎藤講師が重要といったところ:オレンジのマーカー
- 問題を解いて1回間違えたところ:黄色のマーカー
- 間違え2回目以降:消せるボールペン(青)で、間違えた数囲む
このルールを徹底していました。
何度も間違えた論点は青枠がどんどん増えて汚くなりますが、インパクトがあるので印象には残ります。
書き込みが増えていくと自分が理解していない論点や苦手な論点がどんどんはっきりしてきて、
- 読む必要のない部分
- 軽く確認しておく部分
- 時間をかけて読む部分
の区別がつくようになります。自分専用のテキストとして育てていくのに最適です。
「あぁそうだった」を目指す
2年目に年間を通して目標にしていたのが、試験直前の1時間にコンプリーションノート全体をざっと読んで、忘れかけていた知識もその場で思い出せる状態にすること。具体的には、
- どの規定や条文にも見覚えがある
- 数字やキーワードがすっと入ってくる
- あいまいだった知識も見直せば半日くらいは覚えていられる
状態を目指しました。試験当日にこの状態になっていれば、直前に見直す時間さえ取れれば合格できる、そう信じてコンプリーションノートを何度も繰り返し読んでいました。
ひとえに「コンプリーションノートを完璧にすれば合格点は取れる」と信じていたのが大きいです。
最終目標が設定されていたので、普段の勉強でも「この論点はコンプリーションノートに集約して直前に確認できる知識か」を考えながら勉強できました。重要論点を大切にして、細かい論点を捨てる習慣が自然と身に付いたので、コンプリーションノートに限らず直前期の勉強法としてオススメの考え方です。
転記は余裕があれば
恐らく多くのクレアール受講生が一度は悩むのが、「基本テキストの書き込みやマーカーを、コンプリーションノートに転記するか」問題。正解はないので、メリットとデメリットを踏まえて各自の判断で決める必要があります。
- 学習の履歴を引き継げる
- 読みやすくなる
- 覚えきれていない語呂合わせなどを再確認できる
- 時間がかかる
- 基礎講義で苦手な部分が今も苦手とは限らない
- (経験者コース)年間通して斎藤講師の講義を聴くので、解説が被る部分も多い
私の場合、1年目は「初学者のときに聴いた基礎講義のメモが、答練シーズンにも必要とは思えない」と考え転記せず。2年目は「基礎講義の段階で重要ポイントの取捨選択はできているし、ハイレベル答練の負担も1年目に比べ減ったから余裕がある」と考え転記を行いました。
特に2年目に転記すると判断したことは正しかったと思いますが、本当に時間がかかりました。毎日1時間から1時間半使っても、全科目トータルで1か月近く転記していた記憶があります。
元々問題を解かないと覚えられないタイプなので、転記にこんなに時間を使って良いのか、葛藤との闘いでもありました。
基本テキストも併用
コンプリーションノートには載っていない論点は基本テキストに戻って確認することも大切です。内容が充実しているとはいえ、やはり基本テキストには劣ります。
特に感じたのが労働安全衛生法。深追い厳禁の科目の筆頭ですが、問題演習をしていると基本テキストにしか載っていない条文や通達に出くわすことが何度かありました。
問題は、コンプリーションノートに載っていない問題の論点をどう扱うか。
- 基本テキストにも記載なし:細かい論点なので捨てて良い
- 基本テキストに記載あり1:コンプリーションノートへ転記する
- 基本テキストに記載あり2:確認の度に基本テキストに戻る
転記するか基本テキストへ戻るか、この判断が非常に難しいところ。私はできる限りコンプリーションノートへ転記するようにしていましたが、見返すとよく分からないようなメモになってしまうことが多く、転記に効果があったかどうかは分かりません。
いっそコンプリーションノートに書かれていない論点は捨てる、と判断するのもありかもしれません。
まとめ:コンプリーションノートで直前期の勉強を効率化しよう
今回はクレアールの隠れた名教材、コンプリーションノートについてご紹介しました。
- 重要論点がまとまっている
- 類似項目の整理
- 答練シーズンの復習に最適
- 法改正にも対応
- キーワードを隠せる
- 復習のお供に
- テキストを育てる
- 「あぁそうだった」を目指す
- 転記は余裕があれば
- 基本テキストも併用
社労士試験の場合、講義で全体像をつかんで難しい論点を理解したあとは、ひたすら問題を解いて知識を増やしていくのがセオリー。コンプリーションノートは理解のタイミングには向きませんが、問題演習の復習のお供には最高の教材です。基本テキストよりも確認作業やテキスト読みが早めに終わります。
白書・労働経済を除けばコンプリーションノートで本試験対策は十分、2年間の受験経験を経てそう感じます。
クレアール受講生には必ず役立ててほしい神教材、この記事が少しでも有効活用のヒントになれば幸いです。
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