- クレアールのカリキュラムについて知りたい
- 講師はどんな人?分かりやすい?
- 講義の特徴は?
予備校・通信講座を選ぶうえで重要なのが講義の内容や講師との相性。ある受験生に合った内容・最高の講師であっても、他の受験生には合わないことがあるのが難しいところです。
この記事では、クレアールの全講義について、内容や講師の特徴も踏まえて解説していきます。
実際に講義を受けた感想、どうやって活用したかまで紹介していきます。
※経験者コースの内容作成にあたっては、2022年度に実際に受講していた方にご協力いただきました。
- 「中上級W受講セーフティコース」を受講
- 今回が2回目の挑戦
- 1年目は別の通信講座を使用
- 模試で上位3%に入っちゃうすごい人
- 令和4年度合格!社労士事務所でバリバリ活躍中
実際に受講した人しか分からないリアルな情報を提供してもらいました。経験者向けコースの内容も資料請求だけでは分からない情報が盛りだくさんになっています。
予備校・通信講座選びについて知りたい方はこちら
内部リンク:迷っている人必見!予備校・通信講座の選び方を解説
クレアール社労士講座の概要を知りたい方はこちら
内部リンク:クレアール社労士講座を紹介!初学者にも経験者にもオススメの通信講座です
9~4月前半がインプット中心、4月後半~8月がアウトプット中心のカリキュラム
まずはクレアールの年間スケジュールを確認します。初学者コース、経験者コース共通です。
時期 | 学習内容等 |
---|---|
4月中旬まで | 各科目の基礎講義 |
4月下旬~6月 | ハイレベル答練、横断整理、法改正 |
7月 | 模試、白書対策、直前総まとめ |
8月 | 本試験 |
4月中旬までが基本講義中心でインプットがメインの期間、4月後半以降が問題演習中心でアウトプットがメインの期間となっています。
特にハイレベル答練が始まる4月下旬から6月は一番忙しく、カリキュラム通り進めるのも一苦労です。また、7,8月は講義は落ち着くものの、直前期なので復習に必死になります。
つまり4月までにどれだけ基礎を作っておけるかが重要です。
ハイレベル答練の難易度を考慮すると、目安として各科目で完全過去問題集の少なくとも6,7割は正解できる状態にしておきたいところです。
講義の視聴は会員サイトから
クレアールの講義は会員専用サイトから視聴します。
講義動画は通常速度の他、
- 0.5倍
- 0.75倍
- 1.2倍
- 1.5倍
- 2倍
以上5つの倍速再生が可能。画質も選択できます。
私は初回から1.5倍速で視聴。聞き取れなかったところ、理解しきれなかったところをその場で戻って聞き直す、というスタイルで勉強していました。
視聴用のアプリや講義映像のダウンロード機能はありません。講義の音声データ、教材のpdfデータ、その他講師が用意する資料はダウンロード可能です。
全体構造入門講義は最初のガイダンス講義
ここから各講義の解説に入ります。
概要 | 最初のガイダンス講義 |
対象コース | 一発ストレート合格 |
担当講師 | 北村庄吾先生 |
講義時間 | 4単元(2時間) |
使用テキスト | なし |
「全体構造入門講義」は初学者コースのみに用意されている、いわゆる最初のガイダンスです。社労士試験の全体像の解説をメインに、試験概要、社労士資格のメリットについて、北村先生がご自身の経験談も踏まえて説明してくれます。
30年以上も実務家として活躍する先生が「社労士資格で人生が変わった」と言ってくれるのは重みが違います。
正直言って最初は全体構造を聴いてもイメージがつきにくいので、ある程度学習が進んだら見返すと良いかもしれません。
私自身はたまに聞いて、学習方法の確認がてらモチベーション維持に使っていました。
インプットのベースとなる基本講義、基本答練
このサイトでは分かりやすいように、
各科目の基本を解説する講義:基礎講義
基礎講義と並行して進む問題演習の講義:基本答練
という呼び方をしています。
基本講義と基本答練は基本知識のインプットのベース。9月の開講から4月中旬にかけて、各科目2週間に1度、前半後半に分けて2回ずつ配信されます。
労働安全衛生法と労働保険徴収法は1度の配信で全内容が配信されます。
基本講義・基本答練は初学者コースと経験者コースで最も異なる部分なので、それぞれ分けて解説します。
初学者向けコースの基本講義、基本答練
基本マスター講義
概要 | 各科目の基本論点の解説 |
対象コース | 一発ストレート合格 |
担当講師 | 北村庄吾講師、岩崎安男講師、神野沙樹講師 |
講義時間 | 128単元(105時間)(フォローアップ質問会10回) |
使用テキスト | 完全合格テキスト、分野別完全過去問題集 |
2023年からは基本マスター講義は3人体制で実施されます。
- 北村先生:一般常識以外の全科目
- 岩崎先生:一般常識科目
- 神野先生:一般常識科目、フォローアップ質問会
労働基準法から厚生年金保険法までの主要科目は北村先生が担当。特徴は以下の通り。
- 理解しづらいポイントはスライドで追加解説
- 実務の話を交えた講義
- 覚える範囲を絞る「個数管理法」を推奨
- 初学者にはどんどん先へ進むよう促す
- 要所要所で横断整理、比較学習のポイントを作る
- 動画は15分前後で構成
- 細かい論点はバンバンとばす
- 学習した範囲を過去問題集で復習するよう必ず動画の最後に促す
長年の受験指導ノウハウはさすがの一言。講義が分かりやすいのはもちろん、学習の工夫や復習の大切さを説いてくれるので、勉強方法に迷う初学者でも迷子にならない工夫が満載です。
神野先生は2023年度から新たに加わった講師。大阪でニースル社労士事務所の代表もされており、現役の社労士としてもご活躍中の先生です。2023年は健康保険法、社会保険に関する一般常識のほか、フォローアップ質問会をご担当されていました。
フォローアップ質問会は2023年から初学者コースに新たに追加された講義。各科目終了後、受講生から集まった質問に解答します。
仁井講師は2024年から新たに参加された講師。東証上場企業の役員を務めながら2021年の社労士試験に合格したという異例の経歴を持つ方です。また、X上ではにぃ猫先生(@niicat-sharoushi)として受験生用LINEグループを運営したり、日々〇×問題や受験生向けの熱いメッセージを発信されています。
私も1年目の受験のあとお会いする機会があり直接お話ししましたが、とても気さくで受験生想いの良い先生です。
基本マスター答練
概要 | 基礎力確認用の問題演習 |
対象コース | 一発ストレート合格 |
担当講師 | 北村庄吾講師、神野沙樹講師 |
講義時間 | 9単元(9時間) |
使用テキスト | 基本マスター答練資料 |
労働科目、社会保険科目、一般常識科目の基本マスター講義が終了した後の問題演習です。各法律の重要論点から10題ずつピックアップされた過去問を解いたあと、解説講義を視聴します。
2022年度は北村先生が労働科目と社会保険科目、岩崎先生が一般常識科目を担当しました。
解説講義ではピックアップされた10題から特に間違えてはいけない問題を取り上げて解説。北村先生お得意のスライドを使って関連論点をまとめてくれます。
先生が「これ間違えたらまずいよ」といった問題を間違えてると結構凹みます。。。しかも割と言われる。。。
この講義は各法律で重要な分野と過去問の把握、自分の学習進捗の確認が目的。ピックアップされた過去問は分野別過去問題集に載っているものが殆どなので、基本マスター答練の資料自体を何度も繰り返す必要はないと思います。
経験者向けコースの基本講義、基本答練
経験者向けコースの基本講義、基本答練は全て斎藤先生が担当されます。
基本錬成講義
概要 | 全範囲の学習が一通り終わった人を意識した基本講義 |
対象コース | 一発ストレート合格セーフティ(2年目)、中級 |
担当講師 | 斎藤正美講師 |
講義時間 | 140単元(80時間) |
使用テキスト | 完全合格テキスト、分野別完全過去問題集 |
経験者向けコースの基礎講義は全て斎藤先生が担当します。特徴は以下の通り。
- テキストに加え斎藤先生自作のレジュメで論点整理
- 当初から横断整理を交えた基礎講義
- 過去問チェックで出題実績を意識しながら進めてくれる
- レジュメが優秀。図解で理解が進み、過去問で出題論点が明確になる
- 講師が低音ボイスの良い声。倍速で聞いても聞き取りやすい
- 受験生視点で丸暗記で済ませた方が良いポイント、飛ばして良いポイントを明確に伝えてくれる
斎藤先生の授業はまさに「経験者のための基礎講義」。類似論点をどんどん横断整理して科目間の繋がりを意識した講義を展開していきます。
テキストの重要論点がはっきりする素晴らしい講義でした。
答練マスター講義
概要 | 基本事項の問題演習 |
対象コース | 一発ストレート合格セーフティ(2年目)、中級、上級 |
担当講師 | 斎藤正美先生 |
講義時間 | 120単元(75時間) |
使用テキスト | 答練マスター問題・解説、完全合格テキスト、分野別完全過去問題集 |
答練マスター講義は経験者向けコースの目玉。アウトプット重視のクレアールらしい、基本事項を重視した問題演習です。
- 一問一答形式の問題が各回40問×2セット
- 本試験と同じか少し易しめの難易度
- 制度趣旨や答えの導き方を考えさせる良問で構成
- 過去問の改題がベース。基礎力の強化に最適
- 基礎錬成講義同様、斎藤先生自作のレジュメあり
答練マスター講義は全30回。1回80問なので全てこなすと2,400問を解くことになります。特徴は基礎の理解や記憶に重点を置いた構成であること。過去問と同じ論点を別の角度から出題する等、基礎力の強化に最適な内容です。
クレアールの教材で一番繰り返したのが答練マスター講義の問題です。
重要過去問攻略講義
概要 | 重要な過去問を取り上げる問題演習 |
対象コース | 上級 |
担当講師 | 斎藤正美先生 |
講義時間 | 48単元(30時間) |
使用テキスト | 重要過去問攻略テキスト |
「重要過去問攻略講義」は中上級W受講・上級コースに用意されている講義。しかし高得点者向けの講義ということではなく、むしろ答練マスター講義以上に基礎力強化を重視した内容です。
- 自身で問題演習後、解説講義を聴く
- 答練マスター講義よりも量は少なく問題は易しめ
- 本試験で正答率7割くらいの「絶対落としてはいけない」問題で構成
- 問題・解説・図解が1冊にコンパクトにまとまっている
掲載されている問題の量も教材のボリュームも少ないので、時間をかけずに重要論点を確認するために最適な内容です。
内部リンク(作成中):基礎講義
横断整理は科目間共通事項の整理のための講義
ここからは4月下旬以降、アウトプット中心期間の講義内容を解説します。
概要 | 科目間の共通事項の整理 |
対象コース | 全コース共通 |
担当講師 | 北村庄吾講師 |
講義時間 | 5単元(5時間) |
使用テキスト | 横断整理・横断答練 問題、解答・解説 |
横断整理は年金と並ぶ北村先生の得意分野。図表と確認問題で整理されたテキストの中でも重要なポイントを更に分かりやすく整理してくれます。
- 比較整理の重要性を繰り返し解いてくれる
- 先生自身が作成した図表でテキスト以上に分かりやすく解説
- 自分だけが分かる「わがまま図表」での整理を推奨
- 「個数管理法」も威力を発揮
横断整理の良いところは、比較整理の考え方が社労士試験の学習全般で活かせるところ。北村先生は比較整理のやり方を詳しく説明してくれるので、コツを掴んだら普段の学習から比較整理を積極的に取り入れていくのがオススメです。
ハイレベル答練は問題演習のメイン講義
概要 | 選択4問、択一10問×2セットの問題演習 |
対象コース | 全コース共通 |
担当講師 | 斎藤正美講師 |
講義時間 | 64単元(40時間) |
使用テキスト | ハイレベル答練問題・解説、コンプリーションノート |
ハイレベル答練は4月下旬から始まるアウトプット期間のメイン講義。各科目に基本レベルのベーシック編、やや応用のアドバンス編が用意されています。
- 各回選択式4問、五肢択一式10問
- 選択式を20分、択一式を25分で解いた後、斎藤先生の解説講義
- 1つ1つの選択肢の論点を丁寧に解説
- コンプリーションノートを使って関連知識も整理
- 理解な必要な論点の解説はもちろん、暗記項目の覚え方も豊富に紹介
- 自作の詳細なレジュメで+αも解説
- 「これは取れなくて良い」「ここまで覚える必要はない」をはっきり示してくれる
ハイレベル答練は基本的に毎週届きます。問題演習・答え合わせ・解説講義を全て合わせると1回につき3時間は必要。更に全科目にベーシック編・アドバンス編があるので毎週2回×3時間必要です。
ここでスケジュールの遅れを取ると直前期の復習時間が減ります。一番の頑張りどころなので何とか時間を作ってください。
法改正対策講義はポイント把握に必須
概要 | 今年度の法改正事項の解説講義 |
対象コース | 全コース共通 |
担当講師 | 斎藤正美講師 |
講義時間 | 10単元(5時間) |
使用テキスト | 法改正対策テキスト |
法改正の多さは社労士試験の特徴の1つ。重要論点は改正直後に出題されることもあり、本試験に向けて必ず対策しておきたい項目です。
クレアールでは斎藤先生が5時間で全科目の法改正のポイントを解説。テキストには今年度分と昨年度分の法改正が掲載されていますが、講義は今年度分の解説のみとなっています。
法改正講義で特徴的なのは斎藤先生の解説以上にテキストの分量。一色刷りにも関わらず関連通達がぎっしり載っているので、とてもすべては追いきれません。講義を聴いて押さえるべきポイントの取捨選択をしっかり行うのが重要です。
そもそも法改正は深追い厳禁。時間のかけ過ぎはオススメしません。
私の場合、巻末の確認問題で基本事項を押さえた後は、答練や模試で法改正の問題が出てきたときに復習で確認するようにしていました。
直前総まとめ講義は直前期の総復習に最適
概要 | 一般常識以外の全範囲の総復習 |
対象コース | 一発ストレート合格、中級(セーフティは1年目のみ) |
担当講師 | 斎藤正美講師 |
講義時間 | 40単元(20時間) |
使用テキスト | コンプリーションノート |
斎藤先生が20時間で労働科目、社会保険科目の全科目の重要ポイントを解説する講義です。
社労士試験の試験直前期はテキスト読みに取り組む人が多くいます。テキスト読みは全科目を広く浅く総復習する上で最適ですが、単調になりがちで頭に入りにくいのが難点。直前総まとめ講義は全範囲のポイントを絞って網羅した講義なので、テキスト読みのアシストとして最適です。
私の場合、音声ファイルをダウンロードして、通勤中や家での作業中といった隙間時間に復習として活用していました。
セーフティコース2年目には含まれていないのが残念です。
白書対策講義は白書・統計を広く浅く押さえる
概要 | 白書・統計の重要ポイントを解説 |
対象コース | 全コース共通 |
担当講師 | 斎藤正美講師 |
講義時間 | 6単元(3時間) |
使用テキスト | 白書対策講義テキスト |
受験生のみならず、各予備校・通信講座も対策に頭を悩ませる白書・統計。出題範囲が広すぎて全てを押さえるのは不可能、しかも本試験では細かい内容が出題されることも多々あります。
クレアールのスタンスは「基本的な部分のみ押さえて、難しい問題は取れなくても仕方がない」。開講は割と遅めですが、講義は3時間、テキストもコンパクトなので消化不良にはならないと思います。
講義では過去の出題実績も踏まえ重要ポイントを解説してくれますが、白書・統計の対策では、テキストを繰り返し読んで各概要や重要項目を1つ1つ覚えていく方が大切です。
ガッツリ対策したい人には足りないので、単科や市販教材のを追加しても良いかもしれません。
まとめ:クレアールは講師の役割分担で初学者にも経験者にも価値ある講義を提供している
今回はクレアールの全講義について概要を解説しました。
- 4月中旬までがインプット期間、4月後半からがアウトプット期間
- 基本講義、基本答練が初学者コースと経験者コースの大きな違い
- 北村先生は社労士試験の学習方法を具体的に説明するのが得意
- 斎藤先生は自作のレジュメを使った論点整理が得意
私がクレアールで最も評価しているのはオリジナル教材ですが、講義も教材に負けず劣らず良質。北村先生・斎藤先生の講義には長年の指導ノウハウが詰まっており、カリキュラムどおりに学習すれば必ず力が付きます。
北村先生が繰り返し言っていますが、「講義はあくまで理解のお手伝い。最終的には自分自身が記憶するための努力をすることが大切」。何度も講義を聴くより、理解ができたら問題演習で記憶の定着に重点を置くべきです。このスタンスに共感できる人ならクレアールの講座はオススメできます。
クレアール社労士講座は
- 低価格
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