- ハイレベル答練の内容を知りたい
- 問題のレベルは?
- どう使えば良い?
ハイレベル答練はアウトプットを重視するクレアールの目玉。良質な問題・素晴らしい解説講義で実践演習がたっぷり詰めます。
クレアールのカリキュラムの中でも重要な内容だからこそ、受講経験がない人にとっては内容が気になるところ。イメージを掴みやすいように、今回はハイレベル答練の概要とメリット、具体的な使い方について解説します。
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内部リンク:クレアール社労士講座を紹介!初学者にも経験者にもオススメの通信講座です
ハイレベル答練はアウトプット期のメイン講義
概要 | 選択4問、択一10問×2セットの問題演習 |
対象コース | 全コース共通 |
担当講師 | 斎藤正美講師 |
講義時間 | 64単元(40時間) |
使用テキスト | ハイレベル答練問題・解説、コンプリーションノート |
クレアールのカリキュラム4月中旬までのインプット期間と4月下旬からのアウトプット期間の2つに大きく分かれます。ハイレベル答練はアウトプット期間のメイン講義。4月下旬から6月まで、2か月以上にわたってほぼ毎週講義があります。初学者向けコース・経験者向けコース共通のカリキュラムとなっており、問題も講義も同じものを扱っています。
経験者コースの場合はインプット期間にも答練マスター講義が用意されているので、カリキュラム全体を通して問題演習が可能です。
カリキュラムについてはこちら:【クレアール社労士講座】カリキュラムは?強みは?講義について解説!
コース選びについてはこちら:【クレアール社労士講座】中上級W?セーフティ?コースの違いとオススメを解説!
本試験レベルの問題が各科目2セット用意されている
ハイレベル答練には科目ごとにベーシック編とアドバンス編が用意されています。それぞれ選択式が5空欄×4問、択一式が五肢×10問の構成。各問題は難易度ごとにA.B,Cの3段階に設定されています。
- A:確実に押さえていなければならない問題(基礎問題)
- B:このレベルが7割程度得点できれば合格レベルという問題(標準問題)
- C:余裕がある人は押さえる問題(応用問題)
名称こそ「ハイレベル答練」ですが、問題のレベルは本試験とほぼ同じかやや易しめ。ほとんどが基礎問題や標準問題です。
本試験の傾向を踏まえて
労働科目はB,Cの問題が多め
社会保険科目はA,Bの問題を多め
一般常識科目は一部でかなりの難問を交えて
上記のように構成されています。
ベーシック編が基本編、アドバンス編が応用編という立ち位置ですが、アドバンス編もたまに難しい問題が出てくる程度で、本試験レベルの問題が大半です。
初学者コースでも過去問題集をしっかりやっていれば十分対応可能なレベル。基本を重視し満点を目指さないクレアールのスタンスが反映されています。
成績処理あり
ハイレベル答練のもう一つの特徴が、成績処理がついていること。問題用紙、回答冊子と一緒に各回分の解答用紙と提出用封筒が送付されるので、回答を作成したら郵送で提出します。
2週間くらいで会員専用Webサイト上に成績表が掲載。受講生内の自分の順位や偏差値、問題ごとの正答率が載っているので、自身の進捗や落とせない問題が分かります。
この時点では分かるのは自分と同時期までに提出した受講生の成績をまとめた結果のみ。最終的には提出した全受講生の成績分布も掲載されます。
2022年度の終盤からはweb提出も導入されました。2023年度からは恐らく最初からweb提出に対応していると思われます。
答練の達人、斎藤正美講師が担当
ハイレベル答練を担当する斎藤先生は「答練の達人」の異名を持つベテランの人気講師。ご自身も十数年以上本試験を受験し、毎年合格しているすごい先生です。受講生からの評判も高く、その大きな理由の一つが自作のレジュメ。問題の分かりづらい点を図解で整理したり、関連する知識を整理してくれたりと、解説講義の内容をより密度の濃いものにしてくれます。
北村先生も「斎藤先生は社労士試験の講師の中で一番実力のある先生」と絶賛しています。
もちろん解答解説資料にも丁寧な解説が掲載されています。斎藤先生の講義ではコンプリ―ションノートをメインに使うので解答解説資料を直接参照することはありません。しかし「独学でも使用可能なくらい解説を充実させる」ポリシーのクレアール。特に択一式には1つ1つの選択肢に丁寧な解説が掲載されていて、問題冊子と回答解説冊子があれば独学でも十分学習可能な内容になっています。
問題冊子含め、ハイレベル答練資料の紙配布を希望する場合はオプションとして追加購入(1年分10,000円)が必要です。オプションをつけない場合はデータを自分で印刷する必要があります。
私は家にプリンターがなく、データのみで学習をするのは非効率と判断し、オプションを追加しました。印刷の手間や作業時間を勉強時間に当てられたことを考えると正しい判断だったと思っています。
ハイレベル答練のメリット4選
次に、ハイレベル答練のメリットを4つ解説します。
申し分ない演習量
ハイレベル答練1回分には、選択式が5空欄×4問=20問、択一式が5×10問=50問、計70問が掲載されています。科目ごとにベーシック編とアドバンス編があるので、1科目につき合計140問を解くことになります。
徴収法は択一のみなので合計100問です。しかし本試験では労災法や雇用法とセットで6問しか出題されないことを考えると、むしろ充実した分量と言えます。
全科目トータルで140問×7科目+100問=830問。一つ一つの問題をしっかり理解して、解説講義やテキストで関連知識を整理すれば力がつくこと間違いなしです。
捨て問がほとんどない
本試験や模試には、「満点を取らせないための問題」がちらほら出てきます。本番では誰も解けないし、翌年以降も出題可能性が低い問題。いわゆる捨て問です。
アドバンス編も含め、ハイレベル答練には捨て問がほぼありません。最初は満点を取れなくても問題ないですが、分野別過去問題集同様、直前期には9割方の問題が解ける状態にするだけの価値があります。
+αを学べる斎藤先生の丁寧な解説講義
問題だけでなく、齊藤先生の解説講義も良質です。ベーシック編・アドバンス編それぞれに2時間前後の解説講義がついていて、論点一つ一つを丁寧に解説してくれます。
斎藤先生の解説の特徴は関連知識を分かりやすく整理してくれること。自作のレジュメ、後述するコンプリ―ションノートを使って、解答のポイントだけでなく間違えやすい論点を踏まえたプラスアルファの内容を解説してくれます。
コンプリ―ションノートが神教材
ハイレベル答練の講義で使用するオリジナル教材、コンプリ―ションノートは受講生大絶賛の神教材。完全合格テキストをコンパクトにまとめたような教材になっています。
- 各法律の重要論点が簡潔に網羅されている
- 科目内の類似論点が整理されていて復習しやすい
- テキスト読みの時間も短縮可能
ハイレベル答練の復習だけでなく、本試験当日まで使い倒したい教材です。
全オリジナル教材の中でコンプリーションノートが一番お世話になりました。
内部リンク:【クレアール社労士講座】神テキスト揃い!オリジナル教材について解説
ハイレベル答練のデメリット3選
しっかり実践演習が詰めて復習もしやすいハイレベル答練ですが、デメリットも存在します。
スケジュールがきつい
内容が充実しているということは、全てこなすには時間がかかるということ。
1回のセットにつき演習・答え合わせで1時間、講義で2時間強かかります。毎週1科目が2セット存在するので、合計3時間×2セットの時間が必要です。
自分の場合、ハイレベル答練の時間を確保するために土日の午前中は両方潰れました。
徴収法と健康保険法の間には1週間空きがありますが、それ以外の時期は毎週次の科目の問題が送付され、講義が視聴可能になります。1科目遅れると後々のスケジュールが厳しくなるので、この時期はハイレベル答練の消化に必死です。
合間を縫って横断整理や法改正講義も消化しないといけません。
クレアールのカリキュラムはこの時期以外は割と融通が利きます。圧倒的に一番ハードなのがハイレベル答練の時期。消化不良にならないよう、ある程度余裕持ったスケジューリングを考えておくことが大切です。
成績は最終的に重視しない
ハイレベル答練に掲載されている問題はほとんどが基本・標準問題。本試験で同じ問題が出たら確実に取っておきたいレベルの問題なので、最終的にはほぼ完璧にする必要があります。
完璧とは、問題を見てポイントが把握できる状態を想定しています。
そう考えると、受講生内の順位や問題ごとの正答率の重要性は少しずつ低下。加えて成績表閲覧ページの使い勝手もあまり良くないので、成績表を見る機会も自然と減っていきます。
Webページの使い勝手が良くないのはクレアールの弱点。今後リニューアルも予定されているようなので改善してほしいポイントです。
成績表はあくまで初めて解いたときの実力として目安にするくらいがベストです。
因みに通信講座の宿命ですが、高得点の人が割と多いので、あまり順位を気にしすぎる必要はありません。自分も労災・雇用は偏差値40代でした。
一般常識科目は労一・社一で1科目
一般常識科目は「労務管理・その他労働に関する一般常識」と「社会保障に関する一般常識」が「一般常識」として1科目になっています。それぞれを1科目と考えると問題数は他の科目の半分です。
科目の性質上、一般常識科目は過去問だけでは対策しにくい分野。特に白書・統計の問題こそ未出題のオリジナル問題をこなすのが大切なので、少し残念です。
経験者の中には、「一般常識科目の基準点割れを回避すれば合格確実」という人もいます。一般常識対策にはオリジナル問題は貴重な教材です。
内部リンク;【深追い厳禁】白書・統計対策について解説!基準点割れ回避が最優先
ハイレベル答練の効果的な使い方
ここからはハイレベル答練の効果的な使い方を4つ紹介します。
実践演習に慣れる
ハイレベル答練最大の目的です。
- 選択式を20分で解く
- 択一式を25分で解く
- 特に択一式の時間間隔を掴む
択一式は210分で7科目。単純に計算すると1科目につき30分です。本番はトイレ休憩を挟んだり、途中で集中力が切れたりします。見直しの時間も考えると、1科目25分で終わらせたいところです。
問題を解いているときに意識したいことは3つ。
- 問題文の論点を見つける
- 「適切なものを選べ」「不適切なものを選べ」を間違えない
- 確実に答えが分かった問題は他の選択肢を飛ばす
1点目について。社労士試験の問題は一つ一つが長文。しかも細かい部分で誤りを作る選択肢が多々あります。限られた時間でポイントを見つける力をつけるには実践演習は最適です。
2点目について。社労士試験では「適切なものを選べ」と「不適切なものを選べ」がほぼ同じ頻度で出題されます。ここを読み間違えると取れるはずの問題で失点する可能性大。1点が貴重な試験で不注意による失点は避けたいところです。
オススメの方法は問題文の横に○か×を書いておいて、各選択肢は正しいなら○、間違っているなら×と決めておくこと。こうすれば問題文横の〇×と一致しているものを選べば良いだけなので、一つ一つの選択肢に集中できます。
大原の金沢先生の動画が参考になるので載せておきます。
3点目については余裕があれば。例えば「不適切なものを選べ」の問題で、数字の明らかな誤りが一肢見つかれば他の選択肢を読む必要がなくなります。これができると大幅な時間短縮になり他の問題に時間を使えるので、「全ての選択肢を確認しないと不安」という人はハイレベル答練で訓練をしておくことをオススメします。
本番でいきなり挑戦しても逆効果です。
解説講義は自力で復習しやすい状態を作る
問題を解いたら答え合わせをして解説講義を聴きます。このとき正答率よりも「根拠を持ってどこまで選択肢を切れたか」を重視します。どの選択肢も全く分からなかったという場合を除けば、「しっかり解説を聞きたい問題」と「軽く確認するだけで十分な問題」に分かれるはずです。
- しっかり聞きたい問題:自身があったのに間違えた、複数から迷った、そもそも論点が分からない
- 軽くで良い問題:5選択肢全部分かる、空欄の語句が選択肢を見る前に分かる
解説講義では斎藤先生は解説冊子をほとんど使わず、コンプリーションノートと自作のレジュメを使って論点整理をしてくれます。後日自分で復習をするときは解答解説の冊子を使用することになるので、問題ごと、選択肢ごとにコンプリーションノートの参照したページを回答冊子に書いておくと便利です。
問題を繰り返し解いて復習
あとは重要論点を覚えられるように、改めて問題を解き、解答解説の冊子で確認しながら復習します。
解説を読んでも分からない問題は丸暗記しようとせず、講義に戻って論点を理解するのがオススメです。結果的に覚える時間が短くなります。理解が不要な問題は、斎藤先生が「丸暗記で十分」、「そもそも取れなくて良い問題」とはっきり言及してくれるので安心です。
逆に復習の度に講義を聞くのも時間がかかりすぎるのでオススメしません。
あくまで重要なのは過去問題集
ハイレベル答練は本試験と同レベルとはいえ、予備校オリジナル問題と本試験の問題は別物。これは本試験を受けた人なら実感していると思います。
捨て問はともかく、基本や標準レベルの問題の質の高さは予備校・通信講座では勝てません。
どの予備校・通信講座であってもオリジナル問題にはどうしてもその会社独特のクセが出てくるもの。クレアールのオリジナル問題は確かに良問揃いですが、本試験や他の予備校・通信講座の問題を解くとクレアールの問題に慣れている自分に気づくことがあります。
特に問題文の言い回しはどうしても会社の色が出ます。
学習のベースはあくまで過去問。主軸は過去問題集に置いて、ハイレベル答練は実戦形式の練習と、過去問題集だけでは補えない知識の習得に使うのが効率的です。
まとめ:ハイレベル答練で頭から汗をかく学習をしよう
- ハイレベル答練は4月下旬からのアウトプット期のメイン講義
- 各科目ともベーシック編・アドバンス編の2回構成
- 問題は基本・標準レベルがメイン。実戦形式の練習、知識の整理に有効
北村先生の言葉ですが、「勉強は単なる作業ではなく、頭から汗をかくこと」。
テキストにマーカーを引いたり、ぼーっと講義を聴くだけではなかなか頭に入りません。答えが分からなくても自分の頭でしっかり考えて脳に負荷をかけることが記憶の定着の近道です。
ハイレベル答練は頭から汗をかくのに最適な内容と分量。全てこなすのは楽ではありませんがきちんとやり切れば、その分だけ力がつきます。
ハイレベル答練を上手に活用できれば本番でも100%の力が発揮できるはずです。
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