【未経験から社労士事務所へ】合格後の転職活動体験記

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  • 社労士試験に合格したけど、この後どうするか悩んでる
  • 実務未経験でも転職できる?
  • 社労士事務所の転職活動の流れを知りたい

合格発表後、X(旧Twitter)を見てて感じたのが、社労士試験に合格したものの、活かし方に悩んでいる人が一定数いらっしゃること。そもそも合格することが大変で、働きながら挑戦している人が多い社労士試験。合格しても即独立、即転職と行動できる人の方が少ないのかもしれません。

私自身は元々、今の仕事から新しい世界へ挑戦することを原動力に社労士試験に挑戦していたので、試験が終わったら比較的早めに転職活動を開始しました。結果、合格発表から3週間程度で2社から内定。目標にしていた実務の世界にいけそうで、転職後の生活に今からワクワクしています。

先日内定承諾の連絡をして目途がついたので、自分のための備忘録も兼ねて、転職活動の実体験や感じたことを今回記事としてまとめることにしました。

活動時間が短く、エントリーした会社数も少ないのでかなり偏った体験談かもしれませんが、少しでも参考になるところがあれば幸いです。

目次

転職活動の軸は「今より仕事に充実感を得たい」

前提として私自身のスペックから。

  • 大卒の事務職
  • 転職経験なし
  • 新卒からずっと総務系の仕事。人事や経理などを経験
  • 今は人事労務の仕事を担当しているが、給与や社会保険の業務経験なし
  • 専門性はなし。調整能力や書く力には自信あり

いわゆる普通の総合職のサラリーマン。今の職場は残業がものすごく多いわけでも、パワハラ上司にいじめられているわけでもなく、むしろ恵まれている方だと思います。それでも専門性が育たず、自分でキャリアを切り開いていく未来が見えない職場で働き続けることには以前から疑問を持っていたので、本試験後は迷いなく転職活動を始めました。

独身子なしで、ある程度給与が下がることも受け入れていたので、生活環境を変えやすいのも大きいです。

プライベートは充実しているので、お金のことが困らなくなったとしても好きで続けられるような仕事を探したい、という気持ちが転職活動の原動力です。社労士業が私にとってそんな仕事になるかは今後に乞うご期待。

自己分析で事前準備

転職活動を始めるにあたって、事前準備として最初に始めたのが自己分析。新卒の就職活動で取り組んだ経験がある人は多いかもしれません。

私も学生時代に自己分析を行いましたが、今と新卒当時では自己分析の結果も活かし方も大きく異なるだろうと思い、転職活動の第一歩として今回改めて取り組んでみました。結果、社会人経験がある今の方が、自分自身の価値観を具体的に考えやすく、転職活動にも大いに役立ったので、やってみて大正解だったと感じています。

長くなってしまったので、選考の部分から読みたい人は下のリンクから飛んでください。

「【選考】エージェント登録から内定まで」へ飛ぶ人はクリック

自己分析で明らかにしたかったこと

自己分析を重視したかったのは主に以下の3点に活用するため。

  • 目指すキャリアの具体化
  • 職場選定
  • 選考対策

まず自分自身が目指すキャリアについて。社労士資格に挑戦中は最終的には独立を目指すと漠然と考えていましたが、なぜ独立なのか、具体的にどんな働き方がしたいのか、実現のために必要なスキルは何か、スキルを身につけられる環境がどこにあるか等、深堀して考えました。

最終的な目標を少しでも具体化することで、職場選定にも役立つと考えていました。目標を達成するにはどんな経験が積める職場で、どんなスキルを身につけていきたいかが分かっていれば、逆算してどんな職場を志望先にすれば良いのか、ざっくりとでも方向性が掴める気がしたためです。

自己分析はもちろん選考対策に活かすことも視野に入れての判断。実務経験がない分、「自分は何ができる労働力か」をはっきり伝えることを重視したかったので、

  • 自分の強み
  • 好きなこと、得意なこと
  • 仕事の進め方

この辺りを端的に分かりやすく表現できれば、職務経歴書の作成や面接対策が楽になると考えていました。実際にやったことは「自己分析ツールの活用」「本を読む」ことの2点です。

自己分析ツールの活用

自己分析に取り組む上で、最も手っ取り早く確実なのが分析ツールなどのサービスを活用すること。今回は特にやってよかったと感じた2つを紹介します。

  • ストレングスファインダー
  • 価値観マップ

ストレングスファインダーは自分の強みを順位付けし、可視化してくれる

アメリカのギャラップ社が運営している、いわゆる性格診断。書籍も出ていて有名なので使ったことのある人、聞いたことがある人も多いかもしれません。

公式サイトはこちら

性格診断でよく見る一問一答形式の診断に答えると、34に分けた素質を回答者に合わせ順位付けしたレポートを作成してくれる仕組み。公式サイトでレポートのサンプルが見れるので、気になる方は上記のリンクからどうぞ。

ちなみに私の場合は、

  • 慎重さ
  • 内省
  • 戦略性
  • 学習欲
  • 公平性

この5つの素質が上位に表れました。一つ一つの詳細な説明は省略しますが、診断結果には割と納得。慎重さがトップというのは驚きでしたが、自分では当たり前すぎて気づきにくい素質だったのかもしれません。

ストレングスファインダーのメリット
  • 強みを具体化、順位付け
  • 詳細な分析結果
  • 2,000円で書籍を買えば診断を受講可能

ストレングスファインダーを使った一番のメリットは、なんとなく把握していた自分の特徴を明確に言語化し、順位付けしてくれること。ブログを書いていると常日頃感じますが、普段から何となく考えていること、感じていることでも、文字起こしできないと相手には伝わらず、自分自身の思考の整理も不十分になります。ストレングスファインダーは私の素質を明確に言語化、順位付けして示してくれるので、自力では表現できずモヤモヤしていた部分がスッと晴れる感覚がありました。

後ほど選考対策で生きてきます。

ストレングスファインダーのデメリット
  • 全ての結果を見るには書籍の購入のみでは不可
  • 解説に直訳感があって少しわかりづらい
  • Webサイトの使い勝手に少し戸惑うかも

特にデメリットの一つ目には要注意。書籍を購入すると巻末に付属したコードからストレングスファインダーを受けることができますが、上位5つの素質しか見れず、全ての結果を見るにはWebサイト上で課金が必要です。書籍代とは別に7,000円ほどします。

私は全ての結果を見たかったので追加購入をしましたが、書籍を買わずに最初からオンラインで申し込んでおいた方が若干安価なので少し後悔しました。

それでも1万円弱払っただけの価値はあったかなと思います。

価値観マップは目標を決めるための人生の羅針盤

価値観マップは初めて聞く人が多いかもしれません。書籍「お金の大学」で有名なリベラルアーツ大学の両学長がオススメする、自分の人生の目的をはっきりさせるためのツールです。私が説明するよりも、本家の動画の方がはるかに分かりやすいので、気になる方はこちらをご覧ください。

詳細は動画にお任せしますが、

  • 自分が人生でやりたいこと、実現したいことをマインドマップで整理
  • できあがったマインドマップを他の人に見てもらい、疑問点をフィードバックしてもらう。
  • フィードバックしてもらった疑問点の回答を作成し、さらに深堀。
  • 2と3を繰り返し、これ以上深堀できない、というところまで考え抜けたら完成

転職活動のために使うものというよりは、仕事とプライベートの両方について、今後の人生でやりたいことを考えるためのツールです。リベ大は元々お金についてのコンテンツなので、「今後やりたいことを実現するためにはどれくらいの資産が必要になるか」を考えることに強みがあります。

私もこれからやりたいこと、そのためにどんなキャリアや働き方を選ぶべきかを考えるヒントとして活用しました。

本を読む

何かを学ぶときは読書が一番確実で手っ取り早い方法。特に転職のように多くの人からニーズがあるジャンルは、ネットで検索すればオススメの本がいくらでもヒットします。私自身も今回が初めての転職活動。右も左も分からない状態だったので、自己分析と並行して転職活動そのものについても勉強しようと何冊か読んでみました。

社労士事務所というマイナージャンルに絞った転職活動ですが、本質的な部分はいわゆる事業会社への転職と同じと判断していました。なので特殊性は気にせず、口コミなどで評価が高い万人向けの本をメインに探していました。

今回は私が読んだ中でも印象に残った以下の3冊をご紹介します。

  • 転職の思考法
  • 転職と副業のかけ算
  • 苦しかったときの話をしようか

転職の思考法

タイトル通り、転職やキャリアについての考え方を説いてくれる本です。

筆者の北野唯我さんは博報堂、ボストンコンサルティンググループを経て、現在は就活サイトを運営する上場企業、株式会社ワンキャリアで取締役を勤めている人物。「転職がもっと当たり前の社会になればこの国はもっと良くなる」と考え、講演やテレビの出演など、多方面で活躍する「職業人生の設計」の専門家です。

本書では転職業界やキャリア、市場の仕組みの解説から始まり、転職先に選ぶ職場をどんな基準で考えるべきかを論理的に解説。物語形式で進んでいくので、非常に読みやすい本になっています。

新卒の就職活動と社会人としての転職活動は別もの、なんとなくそう感じてはいても具体的な違いを説明できる人は少ないんじゃないでしょうか。この本を読めばそんなモヤモヤを解消して、転職活動における考え方の基準が分かるようになります。

原則論的な話が多いので、具体的に自分はどう考えて行動すべきかに落とし込むのは少し難しいかもしれません。

転職と副業のかけ算

筆者であるmotoさんの体験談をもとに、転職と副業を上手に活用して自分のキャリアを築く方法を解説した本。

motoさんは短大卒業後、新卒でホームセンターに入社し、年収240万のレジ打ちの仕事からキャリアを開始。この本の出版当時の2019年には4回の転職を経て、本業で1,000万、副業で4,000万を稼ぐ凄腕営業としてご活躍されていました。

  • 「これからの時代は自分で稼ぐ力を身につけることが本当の安定」が信念
  • 考え抜かれたキャリアプランと行動力
  • 実体験に基づいた具体的な転職ノウハウ

転職への知見やロジカルな考え方もさることながら、一番見習うべきは圧倒的な行動力。営業としてステップアップし、年収を上げるための転職を繰り返してきたmotoさんのマインドからは学べることがたくさんあります。

ただ「転職の思考法」よりは好き嫌いが分かれる本かもしれません。

ちなみにmotoさんは「転職アンテナ」という転職に特化したブログの運営もしています。転職に役立つ情報が満載のサイトなので、良かったらこちらもご覧ください。

転職アンテナはこちら

苦しかったときの話をしようか

前の2冊とは違い転職をメインテーマにした本ではないですが、自身のキャリアを考える上では重宝する本なのでご紹介します。

「苦しかった時の話をしようか」は営業不振だったUSJを再建させた有名なマーケター、森岡毅さんの書いた本。私自身、タイトルから精神論の側面が強い内容なのかなと勝手に思い込んで食わず嫌いをしていましたが、転職にも役立つ本という評判を聞き、今回手に取ってみました。

  • 自分の長女に向けた手紙をベースにした本なので、全編語り口調で読みやすい
  • 著者の信念は「自分の得意や好きを見つけ、徹底的に磨け!」
  • 本書でも一貫して自分のスキルを磨く大切さを説いている

「専門性が身につく仕事につきたい」を今回の転職活動のメインに置いた自分としては非常に刺さる内容でした。

自己分析で得られた結果

分析ツールや書籍を活用した結果、現状の私自身の価値観は以下の3点にまとまりました。

  • 将来的に独立・雇用のどちらも選べるような専門性を身につけたい
    → 色んな規模や職種の会社を担当し、経験が積める職場
  • 実務未経験でいきなり独立は自分には無理。初歩から少しずつ学んでいきたい
    → 1,2号業務(いわゆる手続き業務)から始まり、3号業務まで幅広く経験できる
  • 大規模組織は合わなかったので、小規模な組織が良い
    → 5~50人くらいの組織

この3つの条件を満たす社労士事務所の求人をメインに探すことに決定。求人を詳しく調べる前に軸が固まったのは、この後の転職エージェントさんとの初回面談で役立ちました。

【選考】履歴書作成から内定まで

自己分析がある程度進んだ時点で、選考への応募も開始。大まかに上記の5つの流れで進みました。

履歴書・職務経歴書の作成

事前準備の中に含めるか迷いましたが、最終選考まで使うことになる書類なので、今回は選考のファーストステップとして整理しました。

職務経歴書を作るのは初めてでしたが、自己分析の効果が早速表われることに。今まで経験した職場や業務のうち、自分の強みに直結する経験やスキルを列挙していく作業に徹したので、割とスムーズに作成できました。

経験やスキルを整理するときに、社労士の業務としてウケが良いかどうかはあまり考慮しませんでした。いわゆる総務系、バックオフィスの経験しかないため、自分が推せる経験やスキルは、「どんな職場だろうとある程度は使えるが、一番求められるスキルにはならない」と判断。志望先に合わせてアピールする強みを変えると「自分がどういう労働力なのか」を明確に伝えるという最初の方針とも合わなくなると考え、ありのまま自分自身が強みと考えるスキルを整理していきました。

職務経験とスキルを整理した結果、

  • 早くて確実な事務処理能力とExcelによる効率化能力
  • 色んなタイプの人に対応できる調整能力
  • 規則やルールの運用を、現場の実態に合わせて合理的に行う柔軟性

この3点を推すことに決定。

結果的にいずれも面接では好印象だった気がします。

転職エージェントとの面談

転職エージェントを利用することは以前から決めていました。きっかけは価値観マップのときにご紹介したリベ大の別の動画。

私自身は、

  • 自分で良い職場を探し出せる気がしない
  • 日程調整などで手助けがほしい
  • 初めての転職なのでアドバイスをもらいながら進めたい

と考えていたので、履歴書・職務経歴書が完成した段階ですぐ転職エージェントに登録しました。

この時点で9月の中旬。本格的に転職活動を始めるのは合格発表の後と思っていましたが、初回面談だけ済ませて、合格が分かったらすぐ選考に入れる状態にしようと考え直し、登録は早めに済ませました。

最初は某大手エージェントと面談。私のキャリア方針について時間をかけて聴いていただきましたが、結果的には1度目の面談で終了。事業会社の人事労務ポジションなら紹介できるものの、私が希望する社労士事務所は得意な分野ではないとのことで、お互いのニーズに合わずそれ以上の進展はありませんでした。

この面談をきっかけに、士業専門の転職エージェントに相談する方が良いかと考え直しました。

そこで次に登録したのがアクトグラムさん。

社労士・人事労務専門という、まさにドンピシャの特化型転職エージェント。2021年12月に設立したばかりの小さな会社さんで、ネット上でもあまり情報が見つからず不安もありましたが、以前からXでもフォローしていたこと、面談を受けるだけなら特にリスクも無いと判断し、登録してみました。

先に結論を言うと、アクトグラムさんにご紹介いただいた求人だけで私の転職活動は完結したので、登録して正解でした。

平日は都合が合わなかったので、日曜のお昼前に面談を依頼。こちらの希望日程に柔軟にご対応いただけたのも小さい会社さんならでは。

初回面談では早速、特化型エージェントの強みを見せてもらいました。社労士事務所を希望していることを事前に伝えていたところ、オススメの社労士法人の求人を7社ご紹介いただき、各社の特徴を求人票とともに詳しく説明してもらいました。

私は希望しなかったので見ていませんが、事業会社の求人も同じくらいご準備されていたようです。

アクトグラムさんは種類の異なる求人を複数提示して、求職者に気になるものを選択してもらうスタイル。やりたい業務や希望がある程度固まっていて、提示された求人から取捨選択ができる人にオススメのエージェントさんです。

私の場合は最初に紹介してもらった7社のうち、4社が気になった求人でした。面談開始までは選考へのエントリーは行わない予定でしたが、出してみないことには手ごたえも分からないだろうと考え直し、気になった4社にはその場で書類選考へエントリーしました。

書類選考に出したとは言っても、アクトグラムさんに履歴書と職務経歴書を提出し、エントリーの意思を伝えるだけだったので、正直選考が始まったという実感はほとんどありませんでした。

書類選考

転職エージェントを通すと、選考結果もエージェントさん経由で届きます。初回面談で紹介を受け書類選考を出した4社に加え、後日紹介してもらった1社にもエントリーしたので、私が最終的に書類選考を出したのは5社。そのうち通過したのが2社でした。

通過した2社はエントリーした中でも印象に残った社労士法人。通過できなかった3社の明確な見送り理由は分からないので何とも言えませんが、自己分析に時間をかけ価値観を整理していたため、相性が良い求人が残ったのかもしれません。

書類選考の結果が出そろったのは9月中。時間をかけて転職活動を進める予定だったので、合格発表前に面接選考まで進むとは思わず驚きました。

面接選考

新卒の就職活動もそうですが、選考は面接に入ってからが本番。少し長くなりますが、

  • 事前準備
  • 面接本番
  • 反省点

に分けて自分の体験をご紹介していきます。

事前準備

アクトグラムさんが面接のポイントについてまとめたメールをくださったので、そちらをベースに準備を進めました。

準備に当たっての疑問点もメールで相談。一人で考えるよりも安心して準備を進めることができたのもエージェントさんを活用した強みです。

準備にあたり行ったことは大きく分けると3つ。

  • 履歴書、職務経歴書の内容の深堀り
  • 長所や志望動機の整理
  • 面接でよくある質問への想定回答

1つ目、2つ目は自己分析のおかげである程度説明できる状態になっていたので、あまり時間はかけませんでした。しいて言えば各社の特徴と、自分の価値観や目指すキャリアがなぜマッチすると判断したのかを説明できるように整理。本音の志望動機とその会社の特徴があまり一致しない職場はそもそも自分の価値観には合わない職場ということなので、むしろ落とされた方がお互いにとってプラスだと割り切っていたことも良かったかもしれません。

最も時間をかけたのが、3つめの想定回答。人事労務に関係する最近の気になるニュースなど、聞かれそうだが準備しておかないと回答に迷う質問への回答を考えておく作業です。

気になるニュースは実際に聞かれたので準備しておいて正解でした。

こういう時に役立つのはマインド面の本より転職面接のテクニックに特化した本面接の対策本を1冊流し読みして、準備しておいた方が良さそうな質問、その場ですぐに回答が思いつかない質問を抜粋、自分なりの回答を作成しました。作成した回答は、簡単なメモ形式でペーパーにまとめておきました。

面接本番

基本的には自己分析や事前準備で整理したこと、履歴書や職務経歴書に記載したことの詳しい話をしただけ。面接官との相性にも恵まれ、変わり種や突拍子のない質問もなく、あまり緊張せずスムーズに受け答えすることができました。

どの面接でも良い意味で普段通り話せた気がします。やはり自己分析からの事前準備が大切だと改めて感じました。

ほんの少しですが聞かれたことの一覧です。もちろん職場や面接官によって聞かれることは異なると思うので、参考程度に。

  • なぜ社労士資格を取得しましたか?
  • 転職理由は何ですか?
  • 今までどんな仕事をしてきましたか?
  • 入社後どんな仕事をしたいですか?
  • あなたの強みはなんですか?

あまり特別な対策はしていないので大したアドバイスはできませんが、面接がスムーズに進んだ理由を一つあげるとするならば、発言内容よりも、説得力を相手に感じてもらえるかどうかに重きをおいて準備をしていたこと。

例えば、「未経験なので最初は仕事の進め方が分からないと思うが大丈夫か?」という質問に対しては、「こういう経験があるので社労士業でも活かせると思う」とは答えず、「最初は迷惑をかけるかもしれないが、多くの経験を積んで早めに色んな仕事を任せてもらえるようになりたい」という答えを想定していました。私にとっては後者の回答の方が自分の本音に近く、本心から発言できる内容だと判断したためです。

評価を気にして無理に着飾るよりも、自分のありのままの価値観をぶつけた方が結果的に印象は良いと思います。少なくとも私自身は本心を明らかにする方針で準備を進めて正解でした。

ちなみに、事前準備の段階でまとめたペーパーは面接中も机上に置いておきました。オンライン面談ではそもそも相手方には見えないし、対面の場合も余計な資料はしまうよう指示を受けたらしまえば良いかなと思い、面接官が来る前に準備。面接が始まったら自分の本心のまま話すよう心がけていたので、あまりペーパーを見ながら回答する機会はありませんでしたが、面接開始後もペーパーは出した状態で問題なかったので、いざというときの心強いサポートになりました。

文章にしてまとめるだけでも頭の中の整理に役立つので、履歴書や職務経歴書だけではまとまらなかった事項はある程度文字起こしすることをオススメします。

反省点

面接選考を通した最大の反省点は、もっと自分自身の疑問点を解消する場としても活用すべきだったこと。

面接選考において、「何か聞きたいことはありますか?」は終盤のド定番の質問。私の場合も1次、2次、最終すべての面接で聞かれましたが、思っていた以上に質問の時間をいただけました。3,4つほど質問を用意しましたが、どの面接でも全て丁寧に答えていただいた上に、他に質問があればじっくり答えてもらえたように感じます。

面接官も積極的に私の質問に答えてくれました。数回の面接だけではどんな会社なのか把握するには限界があることを相手方も重々承知なのかもしれません。特に最終面接は選考を受けているというよりも、お互いの価値観のすり合わせの場という印象が強く、もっと色々と質問をぶつけるべきだったと今でも後悔しています。

転職活動の目的は内定をたくさんもらうことではなく、自分に合った会社から内定をもらうこと。自分が入社した後、どんな環境でどんな仕事を担当するのかを少しでも知るために、疑問点や気になる点はもっと積極的に聞いても良かったと思いました。

私が受けた2社の選考がたまたまそういう流れになっただけかもしれないので、聴きづらい質問や印象の悪い質問をぶつけるかどうかは自己判断でお願いします。

内定

選考の結果同様、内定通知もエージェントさん経由で連絡がきます。私は最終選考を受けた2社とも内定。面接からほとんど日を置かず連絡をいただきました。

典型的な大企業病にかかっている現職では意思決定に時間がかかるので、小さい組織ならではの意思決定の速さに驚きました。

内定通知をもらったからといって終わりではありません。むしろここからがエージェントさんを活用させていただいたメリット。労働条件の交渉など、直接相談しにくい部分もエージェントさんを通して伝えてもらうことが可能です。私の場合、もう少し内定先の実態を知る機会がほしいと考え、内定後にお話を伺うオファー面談を依頼し、日程の調整を行ってもらいました。

オファー面談とは、内定が出た後に行う選考とは関係のない面談のこと。会社によりますが、労働条件の交渉や疑問点を解消する場として設けられることが多いようです。私の場合は選考には関わりのない一般社員の方に仕事の実態を聞く場として、先方のご好意で対応していただきました。選考では聞きづらかったことを含め、気になる点を時間をかけてじっくり聴く貴重な機会になったので、お願いして良かったと思っています。

その他の気になる点もエージェントさんへ相談。内定をもらった2社のどちらにするか、考える時間をもらうために回答の日程を調整してもらうなど、色々とお世話になりました。

おかげでじっくり時間をかけて検討した上でお返事できました。

これから転職を考える人に伝えたいこと

ここまで長々とお付き合いいただきありがとうございました。最後にこれから転職を考えている人に向けて、私なりに大切だと感じたことを3点お伝えします。

強み、価値観は大切に

満足いく転職活動ができた理由を一つ上げるとするならば、「自分がどんな職場環境を望んでいて、どんな人材なのか」を整理できたことに尽きます。

  • 自分の価値観に合うと判断した職場の選考に応募したので、相手方からも評価してもらえた
  • 自分には何ができるかをはっきり伝え、ありのままの状態で話せたのでストレスフリーに選考をこなせた

この2点が非常に大きかったです。転職活動は社会人経験がある分、新卒時の就職活動とは戦略の立て方が違うと強く感じました。事前準備はしっかり行っておくことをオススメします。

一番避けた方が良いのは、応募する会社に合わせて自分のやりたいことや強みを変えること。自分の個性を偽って内定をもらっても入社後にしんどくなるだけです。変えるなら会社の特徴に合わせて志望動機を少し修正する程度にする方が良いと思います。

志望動機も本質は変えないようにご注意ください。

迷ってるなら行動してみる

そもそも転職するかどうかを迷っている人も、とりあえず行動してみるのはオススメします。転職活動が順調に進んで内定が出たとしても、不安があるなら現職に留まれば良いだけ。転職活動にかけた時間以外に失うものはほとんどありません。

私自身、転職活動をすること自体は決めていたものの、「本格化して動くのは合格発表の後」と考えていましたが、結果的には合格発表前から面接選考まで進んでいました。エージェントさんに背中を押してもらったことがきっかけですが、今ではすぐに動いて良かったと思っています。

面接選考まで進むとどんな質問を聞かれやすいか、どんな雰囲気、スケジュールで選考が進んでいくのかが少しずつ分かってくるので、経験を積むにつれ戦略を立てやすくなります。仮に現時点では転職をしない決断をしたとしても、今後また転職したくなったとき、実際に転職活動をしていた経験は生きるはずです。

もし少しでも転職を検討しているなら、エージェントさんに話を聞いてみたり、気になる求人に応募してみたりする価値はあると思います。

最終的に転職をしないことにしても、「その気になればいつでも転職できる」と思えれば精神衛生上もプラス。他の会社と比較するのは今の職場の良さを見つめなおすきっかけにもなります。

現職もきちんとこなしておく

私には社労士の仕事に直接生きる業務の経験はほとんどありませんが、今までの社会人生活で得たスキルは転職活動でも役立ちました。

日々仕事で自分の強みをある程度意識しているのがプラスに働きました。例えば「調整能力」という抽象的な言葉を「相手に合わせて話す内容や対応方法を柔軟に変える能力」と言い換え面接で話すことができたのは、日頃から臨機応変な対応を意識して調整業務を行っているのが大きいです。

どんな業務を担当しているかよりも、仕事を通じてどんなスキルを身につけ、どう表現するかが大切。今回の転職活動を通じてつくづく実感しました。そのためには日頃の仕事の中で自分の強みを伸ばしておくのが重要です。実務で磨いたスキルは何であれ選考面接でも必ず役立つ、私はそう思います。

ついでに言うと普段から仕事をきちんとこなしていると、急な休みも調整しやすくなります。平日に面接に行く必要がある転職活動では貴重なメリットです。

まとめ:良い転職活動には自己分析が大切

今回は試験後に社労士事務所への転職活動を行った体験記を書かせてもらいました。

  • 自己分析に時間をかけ、強みや志望先を明らかにした
  • 選考でも自己分析をベースにした事前準備や受け答え
  • 結果、社労士法人2社から内定

今回の転職活動が成功だったかどうかは実際に働き始めるまでは分かりません。それでも現時点の自分に可能な最善の行動と判断ができたと今は思っています。

独身子なし、年収が下がることも承知の上だったので、環境を変えやすい条件が揃っていたのも大きかったです。家庭があったり収入が減ることに抵抗を感じたりすると、安易に転職できないのは当然なので、転職のしやすさという意味で恵まれていた自覚はあります。

社労士資格のメリットは色々な活用方法があること。副業社労士として活躍することも、現職で人事課へ異動し学んだ知識を活かすことも可能です。転職は数ある選択肢の一つに過ぎません。それでも社労士事務所への転職は業務経験を積む上で最も確実で分かりやすい手段。実務未経験で、現職ではあまり社労士資格を生かすタイミングがない自分にとっては真っ先に思い浮かぶ選択肢でした。

転職そのものにはリスクがありますが、転職活動だけならノーリスク。実際に求人を探してみたら思わぬ良い転職先が見つかるかもしれません。少しでも転職を迷っている方、個人的には試しに行動してみることをオススメします。

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